よく世間で言われている美術家を目指すためには、基礎をしっかりと勉強しなくては駄目だという説は正しいと思う。たしかに美術のことがよくわからない初心者であれば、当然、基礎から地道に積み上げていくしかない。また、美術大学へ進学する人は最低限の美術教養と技能を身に付けていないと身動きが取れない。ある世代の人にとっては最善の勉強法だと言える。
ただし、やたら基礎ことばかりをうるさくいうのだったら、そのうちに単調な言葉に耐えかねてやる気がなくなっていく。どんなにやった方が良いとわかっていても、そのことに意味が見い出せなくては、勉強する意欲が湧くことはない。結果、自分の殻に閉じこもって、勉強している振りをする人になるだろう。
つまり美術の基礎をしっかりと勉強するためには、美術家の素晴らしさを具体的に発見すること。その人が美術家になろうと決心するのにふさわしい美術家や作品との出会いが大切なのだ。才能は一番核心の部分に触れることによって目覚めるもの。自分の理想の美術家像がイメージできたら、基礎を繰り返しことも楽しくなるはず。様々な美術の良さを知っていくことだ。それによって美術家になるために必要なことが自然と身に付いてくる。美術は創作をしていくうちに自分らしい世界観になっていく。いつも自分の理想を確認しながら努力していこう！
