美術とは美術家と鑑賞者の共同作業によって創られるもの。これを方程式で表すとしたら「美術家×鑑賞者＝美術」になるだろう。美術家の一方的な思い込みだけでは不十分。作品の個性を楽しむ観賞者の存在が必要である。しかし、今の時代は作品を熱く語れる鑑賞者が減ってきたように思う。当たり前のことだけど、鋭い感想を語るためには、それなりに勉強することが大前提だ。観る人からの緊張感がなくては、お互いにやさしい言葉を語り合って、お友達ごっこに甘んじてしまうかも。これでは良い美術家は育つはずはない。美術家は鑑賞者によって育てられるもの。美術家と鑑賞者の五分五分の対等な関係を意識していこう。その人が成長するためには、心を鬼にする時もあっていい。真剣なまなざしが素晴らしい作品に化学変化させる。自分なりの言葉で評価して、面白い世界があることを気付かせて、美術家の創作意欲を活性化させるのだ。自分らしく感じたことや考えたことを言葉にして、美術家の眠っている才能を刺激してやりましょう！
