学び

50代になってから学ぶことの面白さにようやく気が付いてまきた。正直にこんなことを語るのはとても恥ずかしけれど、それでも生きている内に気が付いたのだから目っけもの。やはり何かを学んでいくと考え方が広がって、かたくなに意地を張ることがなくなってきた。勉強することによってやわらかな頭になっていく。これまでのセオリーだけを重視していたら、そこで想像力は固まって進歩が止まってしまう。周囲からどう見られてもいい。とにかく美術の世界に真摯に取り組むこと。この気持ちが生まれてからは「なぜだろう?」と感じることが増えてきた。そう、新しい発見、いやもしかして再発見を新鮮に感じられるようになったのだ。

この境地に達したのは私よりも10歳若い美術家と出会ったおかげだ。美術を学ぶのは何のためにするのかを後ろ姿で教えられた。彼は東京を拠点としているため、実際に観る機会はなかったが、SNSなどを通じてコンセプトやメッセージ、ポリシーなどは伝わってきた。そして、それらを考察していく中で1つの作品を様々な角度から感じ、理解を深めていくためのアプローチのヒントまでもらい、もっと美術を知りたい気持ちに火をつけてくれたのだ。

つまり人というものは純粋に美術を楽しもうと努力するものの、意外と自分の感性を貫く頑固さが激しいため、喰わず嫌いになって偏った見方になりやすい。また、頭が固いデメリットはそれだけではない。自分の感覚に酔いしれて自惚れた結果、周囲の人たちから嫌われて孤立してしまうもの。唯我独尊の頑固ジジイになる前に、素敵な処方箋を与えてもらえて良かった!あらためて楽しんでやることに意味を感じ、美術の世界と奥深く付きあう意欲が湧いてきた。人生はいくら頑張っても自分一人でできることは少ない。伸びが悪くなった時代にカバーしてくれる仲間が必要になるのだ。人生はこの瞬間の一期一会を大切にして、チームワークで理想へ向かっていこう!

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