一生懸命に生きる!

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昨日まで開催していた「県美界隈展 『花』、Y氏とともに 」。超絶技巧の画家として知られる吉村芳生さんの七回忌を偲んで企画し、『花』をテーマに20歳から60歳までの作家45名が1人1作品ほど出展していただく。本来ならこれ以上の参加を募ってみたかったけど、隣りの作品と間隔をあけて展示していくには、スペースのことを考えてみればこの人数が限界だった。また、鑑賞する人にとっても作品数としてはかなりのボリュームになるはず。会期中、どのような反応になるのかを心配して来場者の動向を静かに見守った。ある程度はそれなりに受け入れられ、楽しんでもらているのだろうか。

すると人それぞれ異なっていることに気が付く。一人として同じようなタイプの鑑賞者はいない。そもそも作品鑑賞した感想は十人十色。美術に絶対的な答えのない世界のだから自由にするべきだ。それは詩人 金子みすゞさんの作品「私と小鳥と鈴と」の一節、「みんなちがって、みんないい」のように、その人らしい個性が尊重される寛容な世界。つまり正しいと誤りの境界線はハッキリしないもの。どのように楽しもうと本質さえ失わなければいいのだ。

ちなみに来場者は予想以上に20代の若者が多くあった。やはり出展者の3分の1は20代にしたことが功を奏す。私は初めて来たと思われる若者に、できるだけ声をかけてはコミュニケーションを図った。1人の作家の知り合いが多くの作家を知り、ひいては美術への関心が深まるチャンス。人は誰でも目の前の現象を観察するためのセンサーを持っている。例えばよくわからないことを、感性で触れて知っていく能力がある。これによっておよそ何かを感じ、よくわからないものに対して、適切な距離から接しられるようになる。その水先案内人になれるように言葉を選びながら、上手く伝わったどうかはわからないけど、自分らしく最善を尽くして語ったつもりだ。不十分だったことは次回の課題。これからも勉強せねばならぬと反省させられた。