切り取り線

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「『絵になる風景』を探すな。よく見ると、どんな自然でも美しい」というのは、フィンセント・ファン・ゴッホの名言である。

いわゆる画家が描く風景画とは、モチーフになる風景の中にあるものをすべて描写するのではない。画家の目に留まった1点からフォーカスしたものか、むしくば、独自の視点から全体の一部をカットして、具象または抽象の手法を用いて表現するものである。

つまり、その瞬間に心にひらめいたものを思い浮かんだまま描いていくこと。どのように描いたらいいのか、どんな色彩を使えば映えるのかなど、対象物の風景にこだわりすぎると、五感で感じた世界観がしぼんでしまうだけ。おそらく、正確に風景を描くことに捉われて、堅苦しい画面の作品になるだろう。だから、心ときめくものを羅針盤にしていく。心で感じたイメージを素直に描くことが大切だ。