大和魂

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「ものを見るのは精神であり、ものを聞くのも精神である。眼それだけで見ようとせず、耳それだけで聞こうとしない」というのは、日本のサッカーの父と称するデットマール・クラマー氏の名言である。

1960年、東京五輪のために来日したクラマー氏は、基本の基本から徹底的に教えるだけではなく、サッカーの文化と哲学を日本へ運んできた名将。いつも選手たちのモチベーションを高めるために、「きちんと基礎を固めてこそ、その上に立派なものが建つ。基本がしっかりしていないものは、いつかは崩壊する」や、「上達に近道などない。そこには不断の努力があるだけである」など、心を響かす熱いメッセージを数々残している。

これらの言葉はすべて美術家に対しても十分使えるものばかり。やはり、人がやることは心技体が豊かでなかったら、素晴らしいパフォーマンスを発揮することはできない。つまり、自らやる気になって熱心に学んでいく。このレベルに達したいと発憤することで、あらゆる感性は研ぎ澄まされて、より深く真理を追究できるだろう。だから、なにごとも必要なのは実力よりもやる気が肝心。一度、自分のやるべきことだと決めたら、そのことにひたむきに取り組み、向上への意識を持ち続けることが大切になるのだ。