YOASOBI

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昨夜のNHK Eテレ SWITCHインタビュー 達人達は、数々の人気ドラマの脚本家 北川悦吏子と、大ブレイク中音楽のユニットYOASOBIコンポーザーで山口県生まれのAyaseが対談する。

Ayaseは高校中退後に上京したものの、芽の出ない日々が極貧生活が何年も続く。それでも、絶対に売れると自信を持ってしていたが、3年前、体調を崩したことがきっかけに、「このままで本当に音楽で成功することができるのか」と、自分自身の生き方を見直す。そして、8年間組んでいたバンドから遠ざかり、自分ひとりで楽曲できる方法を真剣に考えて、実際の楽器をほとんど使わず音声合成ソフトなどで、パソコン相手に作詞作曲していくようになる。そこで、人間では歌いにくい音階でも音声合成技術なら可能にし、その特徴を存分に活かしながら、ふんだんに転調を盛り込んだ曲を制作。そんな難易度の高い歌を表現できるパートナーと組み、こうして複雑なメロディーと相まって、独創的な作品が次々に創り出し大活躍していった。

私のこの番組を見ながら、県美界隈展に「民夫君」を出展している映像クリエイター河野成大君のことが頭に浮かんだ。奇しくも二人は同じ27歳。そして、どちらもメディアを使った新しい表現者。そして、「現状、今の世の中が夜だなと感じる。みんなの価値観が内向きになっている。ダークな感情に気持ちが振れやすいからこそ、ダークなものを見たくなるというのか、そこに寄りかかりたくなったりするところも今は絶対あるように思う」や、「みんな夜明けを望んでいるけど、夜の心地よさにも慣れてきている。ひとりひとりが離れていても繋がれるツールも一杯できて、ある程度の距離感を取りながら誰かと接するという、いまの夜を結構楽しんでいる」というAyaseのメッセージは、河野君の作品のコンセプトと重なって、20代後半の感覚を学ぶ時間になる。いつも時代は変化していくもの。それを肌で感じて本当に良かった。