差異化

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昨日に続いて、NHKEテレ SWITCHインタビュー達人達で、『バーチャル渋谷』のプロデューサー中馬和彦氏とNYを基点に世界中で活動する建築家 重松象平氏の対談の中から、以下の重松氏の持論を抜粋して書き起こす。

今のこういう大規模開発は、どうしてもある成功者がいると、それと似たようなコンテンツ(価値観のある中身)が入ってくる。ガラスの箱の中に同じようなものをパッケージ化して、どんどんいろんなところに似たものを作る。幕の内弁当型を批判するわけではないけど、こうやって何となく同じようなものばかりではいけない。建築家は各プロジェクトを差異化するために雇われてる。この計画とこの計画は違うことをハッキリと見せるためにデザインが必要になってくる。でも、中身が一緒だったら本質的に変わんない。どこにでもある同じような開発をしていると駄目になる。クリエーターが集まるようなスペースなんか作って、そこから何か生まれるような仕掛けをどんどんしていかないと、ただの消費する空間になってしまう。逆に言えば、建った時が完成度で一番ピカピカできれいで、そこから後は朽ちていって、価値が減衰しちゃうだろう」だから建築家として独自性に欠けた都市計画には危機感を覚えている。

この言葉に触れて、さすがだと感心させられた。私が住む街でもパッケージ化して作られた建築物やイベントを目にすることは多々ある。どこかで成功したことをモデルに、二番煎じや三番煎じのことに堂々とやって、「これはスゴイと言って煙に巻きながら取り込んで、とにかく多数になればいいみたいな感じで、権威主義というのか、地方の個性や資源を活かせないものを目にする。違和感を感じていたことの問題をわかりやすく教えてもらえた。今月の受信料は特別に安いぞと思った。