プロフェショナル

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ピカッと頭にひらめいたことを、手を通してカタチのあるものにし、新しい創造をつくっていく。どういうふうにしたら面白くなるかを、自分の理想へのイメージへ向かい、常に努力して具現化する才能を磨いていく。ただし、人の努力はいつの場合でも最良の結果を生むとは限らない。なぜなら、努力それ自体は何とかするための一つのモーション。例えば、野球で投手のモーションがいくらよくても、必ず相手打者が打てないボールになるとは限らない。制球力とマッチして鋭くなっていく。だから、プロの世界では結果が伴わなければ、努力したことへの評価は得られないのだ。

昨日、萩焼陶芸家の大和佳太君の仕事場である明善窯へ。ウチから車で10分程度で行けるのに、実に自然豊かな喧騒を離れた場所にあるため、ここにいると焼きもの以外ことはどうでもよくなってくるだろう。本当にそう言いたくなるほど、普通に生活するには不便で生半可な気持ちでは住めない。つまり、自分のプライドというものを大切にしなければならない。もちろん、つまらないプライドではなく、どこまでも我慢をして本物の萩焼を創ろうという信念であって、安易な価格で販売しようとしないし、一般受けの良い言動で演技をすることはない。萩焼ブランドを安売りしちゃいけない。登り窯で炎の織り成す芸術を極めることへの覚悟があるのだ。

ところで、陶芸家が陶芸をやることの理由を大雑把に言えば、『名誉』『お金』『好き』の3つで、私もどれも正しいことだと思っているが、その中で『好き』こそが最強なのだ。ことわざの好きこそ上手なれというように、この基本がある人は努力することを惜しまなくて、寝ても覚めても陶芸しか興味がなく、何があっても創作に夢中になれる。それ故に佳太君と語れば、いつも萩焼への愛を感じる。今年は4月の京王百貨店新宿店、6月の山口井筒屋での個展が盛会になることを期待する。君ならもっとできるからしっかり腕を上げて、すげえ作品が出てくるのを楽しみしている。