ファーストペンギン

「ファーストペンギン」という言葉がある。これは集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽目のペンギンのこと。転じて、その勇敢なペンギンのように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するパイオニア精神の持ち主を敬意を込めて、ファーストペンギンと呼んでいる。

たしかに一番初めに何かに試みるためには大きな勇気が必要になる。事前にある程度のことは予想できるが、実際にそれで対処できるのは、わずかなことだったりする。ありとあらゆることを想定したところで、ほとんどはこれまでにないことばかり。つまり、まずは最初の一歩を元気よく踏み出そう。結果は後からついてくると前向きに考えればいい。やる前から失敗を恐れることなく、果敢に挑戦することが大切なのだ。

ところで、このたび全国大会へ中国地区第3代表で初出場した母校女子サッカー部。おそらく簡単には勝たせてもらえないだろう。だけど、例えどんなに戦力が劣っていても、なおやる気があったらなんとかなる。それは奇跡を願っているのではない。持ち前の若さが爆発してくれば、何が起きても不思議ではない。どこまでも目標を達成することに全力で取り組めば、自分たちが持つ力を最大限に活かせるはずだ。

そんな私の心配をよそに、彼女たちは素晴らしいパフォーマンスを発揮する。初戦から格上のチームに防戦一方で息をのむ展開が続いたが、チーム全員の心をひとつにして戦い、2つも勝って目標のベスト8進出を達成することができた。本当によかった!やはり能力値よりも勝利への執念だ。これからの活躍も期待する。そして、男女ともに全国のピッチで躍動することを楽しみにしている。