同じ雑草は一つもない

数日前、まだ選挙で一度も投票したことのないアラサーさんと話す機会があった。そこで「なぜ行かないですか?」と質問すると、「自分が投票しても世の中は変わらないから」と答えてくれた。このことは我が国がいろんなことが整備されているため、問題は自然と解決されるだろう、あるいは何かをやろうとすれば、経験豊かな組織によって上手くできるはずだという他人まかせの風潮が蔓延っているからだ。

先週のNHK連続テレビ小説「らんまん」で、神木隆之介さんが演じる主人公 槙野万太郎が自由民権運動の首謀者に反対勢力だと勘違いされて、壇上の上に立たされた時に「(あなたは)雑草が役立たずと言うたけど、同じ雑草は一つもない。葉の形、葉の色、そして、どこに生きるか」と自論を口にする。さらに「そして、根を張って生きるんだ。根を強く張って、どの草も生命を繋いでいく。例え厳しい季節の間でも、根っこ同士、繋がり合って生き延びる力を蓄える。そう、元気いっぱい、芽吹くために、時が来たぞ!」と、雑草を思って語った熱い言葉は、集まった民衆の心をスマッシュしたのだった。

奇しくもこの放送があった日にアラサーさんに出会ったので、主人公になったつもりで熱く語ったが、見事、暖簾に腕押し、馬の耳に念仏という結果で撃沈した。さすがZ世代!根性論は通じない。まだまだ修行不足。もっと美しい言葉を学ばないと惹きつけることはできない。いずれにしても私にとって、これからの課題が見つかって勉強になりました。