煩悩

人は誰でも心に迷いがあって、仏教用語で言うなら煩悩といい、その数は108つと言われるくらい、人の心はさまざまなことで迷っている。煩悩のすべてが永久になくなってしまったら、そこは涅槃という悟りの世界であると、お釈迦様が言ったくらい、人は自己を忘れて欲望に溺れやすい。その中でも代表的なのは「金持ちになりたい(金銭欲)」「偉くなりたい(出世欲)」「有名になりたい(名誉欲)」という3つの欲。これらはどんな人でも持っていることで決して悪いことではないのだ。
つまり、金持ちになりたい、偉くなりたい、有名になりたいと考えることは当たり前。しかし、あくまでも正攻法で、しっかりとした手順を踏んで求めること。言い換えれば、正当な手段によって正当な目的のために努力した結果ならば、金も地位も名声も得ることは悪くない、おおいに胸を張って追い求めればいい。こういう心掛けでいると、私利私欲はいつの間にか公利公欲になり、社会のための利益として役立つはず。結果よりもそこへ至る過程を大切に日々を精進していけば悪くないのだ。