迷信と科学

迷信とは、人々に信じられていることのうちで、合理的根拠を欠けているもの。昭和時代は社会秩序を守るための口実として役立ち、そんなことをしたらバチが当たるとか、たたりに遭うとか、どこかリアリティーがあることを言い、主に子どもたちに恐怖心で約束ごとを守らせようとしていた。今は科学技術が目覚ましく発展して、多くのことが実証できるようになり、人々は合理主義へどんどん傾倒していく。迷信はその正体を見破られてしまい、無視される存在になっていった。
 
とは言え、日本人は古から目に見えないものを心で感じる文化を大切にしている。例えば思いやりの心なんて、科学の力で証明することはできない。いくら脳波や心拍数、血の巡りなどを計測したところで、心の動きを正確に表すことは不可能。科学的に分析さえすれば、すべてがわかるというのは、あきらかに飛躍し過ぎた考え方だ。それ故、どんな未来になろうとも人の心を正しく計測できる術はない。なんてたって心の動きは本人さえもよくわからない不思議なもの。つまり、迷信と科学のどちらも上手く使い分けて、自分らしい生き方に役立てればいいのだ。