うどんとおにぎり

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もうじき幕を閉じてしまう平成時代。おそらくこれまでのどんな時代よりも、様々なことが早いスピードで変化し、凄まじい摩擦が発生していった。このことはコンピュータが普及したことによって生まれた弊害だと思っている。すべてが効率よく、かつ、合理的にやれるようになって、プロセスが大幅に省略することができるようになった。ものごとを手探りで進めなくても、過去のデータを元に機械でシュミレーションしたら、瞬時に最善の手段や方法を見い出し、その中から好きな答えを選ぶ。このロジックを使っていけば、時間という資源を大いに活用できる。こつこつと徒歩で東京を目指していくより、一気に飛行機で行った方が早いようなもの。つまり平成時代は約30年超だったけれど、実は江戸時代よりもボリュームがあるというのか、機械によって必要以上の情報量の中で生きているのだろう。

ところで、スポーツ選手の試合前の食事について科学的に研究した本を読んだことがある。それによるとスタミナとなる炭水化物や塩分、ミネラルを含んだ食べ物の代表として、うどんとおにぎりが推奨されていた。試合中にお腹にも持たれず、消化と吸収も良いとのこと。この本を読んで人の直感は素晴らしいと思った。つまり科学で証明されなくても、そのことはなんとなくわかるもの。例えビックデータがなくても感覚的にわかる。ただし、それは多く経験よって生まれる知恵。いろんなことを体験することで本質に必要なことが見えてくる。平成時代、機械のおかげで余暇の時間は増えたが、それを有効に活用する人は増えていない。何かをネットと調べて答えを知ったらハイお終い。それ以上の好奇心がなくて余った時間はぼや~と過ごしている。いよいよやってくる令和時代。もう一度、人間らしいリズムで過ごしませんか?幸せは答えを知ることではなく、答えを考えていく時間にある。原点を求めていきましょう!

■稲田絵美 個展 いつの時代も 2019年4月28日(日)~5月5日(日) 11:00-19:00 定休5月1日(水)