ロックの魂

先週より中原中也記念館で始まった「草野心平中原中也」。私は中也についてまだまだ若葉マークレベル。言い換えれば、どんな企画展もすべて新しい学びになる。だから、このたびも期待に胸を膨らませて記念館へ参上した。すると、期待にたがわない素晴らしい内容。特に、二人の出会いとなった詩の朗読会は、中也が自身の詩「サーカス」の七五調に書かれた部分を、あえて異なる切り分けした独特の読み方を披露したところ、心平はその規格外の才能に驚いて、それがきっかけで交友が始まったことは、本当にカッコイイ。
「彼が声を出して読むと彼の詩はふくれあがった。自分の知っている範囲で『独自』という言葉に恥じない朗読をしたのは宮沢賢治中原中也だけである」と、心平は述べたように中也の才能を高く評価した。やはり創作する人に必要なのは、それぞれが自分らしい夢を持ち、それを語り合いながら、お互いの夢を実現するために切磋琢磨すること。ダイヤモンドはダイヤモンドによって研磨するように、人の才能は人との出会いによって夢は磨かれていく。二人は運命に導かれて出会ったのだろう。