道一筋

2008年10月、県美展には前回大賞受賞者の吉村芳生さんが招待出展。50代に入ってからスランプに陥り、悩み苦しむ日々を乗り越えて栄誉を掴む。さらに六本木クロッシングで高く評価され、日本列島にその名をとどろかせた。だから、吉村さんは上機嫌。会場で以下のことを語ってくれた。
いつも自分らしさを手探りしながら、いろんなことを試しているんだ。すると予想外の失敗に出くわしたり、とんでもない壁にぶつかったりして、しまいにはどうしようもないモノ(作品)が出来上がった。本当に自分には才能がないなんて、数えきれないほど思ったよ。だけど、やめてしまおうなんて一度も考えたことはない。これ(画家)しかできないのだから、馬鹿みたいにこれをやるだけ。人前で恥をさらして生きているようなものさ。しかし、これが画家の王道なのかもしれないね(笑)
今日から個展を行う深海志都香さんは、吉村さんと芸短で短い交流になったけど、彼女にとっては大きな財産。道一筋に生きることの大切さを後ろ姿で学んだ。この恩は返せないから、誰かに恩送りできるように、こつこつと創作を続けていこう。