美術の能力は自分で試行錯誤しないと磨かれない。いわゆる学校などで誰かに教わるのは一見効率的に思えるが、実際のところは大きな副作用がある。なぜなら、教わったことをそのまま真似すれば、それなりに見映えのいい作品が出来上がりやすい。そうすると反射的に作品制作するようになる。どうすればいいのかを考えなくなってしまう。
イラストレーターのコサカダイキ君はいつもよく考えている。いろんなことに気付いてはあれこれ悩んでいる。だから、子供の頃から友人に「おまえは考えすぎだ」と言われていた。言い換えれば、それだけ強いこだわりを持って取り組もうとする。自分なりに深く掘り下げて考えることが大好きだ。そして周囲に惑わされずに信念を貫いていく。
そんな彼の思いが書かれてあった。「絵は心が映ります。つまんねーなって思いながら描いた作品に人が惹かれるはずがありません。イラストレーターなら人目を惹く、心が奪われるような絵を描くことが大事です」という、シンプルで純粋で実にわかりやすいメッセージ。人は創作へ集中して夢中になっている時が一番楽しくできるのだろう。