ことわざの「当たって砕けろ」とは、成功するかどうかわからなくても、思いきってやってみよということ。結果を怖がって何も行動しないよりも、たとえ夢や理想が打ち砕かれたとしても、前向きに実行していかなければ、何ごとも成就することはない。つまり、単なる無謀な挑戦ではなく、挑戦してみて失敗しても構わないという意味である。
私の若い頃、この言葉は美術の道を志す人によく言われていた。そもそも簡単には上手くいかないことだらけ。真面目に頑張っていけば、美術家になれるほど甘くはない。だけど、恐れて何もしなければ、どうにもこうにもならない。美術の才能を磨いていくためには、自ら体験するしかいい方法はない。積極的に実践で場数を踏んでいくだけだ。
つまり、トライアンドエラーを繰り返しながら挑戦していけばいい。自分には才能がないとか、失敗したらどうしようとか、やる前から弱気になってはいけない。いたずらにその時々の評価に思い悩むことなく、何があってもやり遂げたい気持ちで突き進んでいくこと。いつも粘り強く取り組んでいけば、未来を創る試金石になって役立つだろう。