徹底

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「徹底」という言葉を辞書で引くと、充分に行き渡ること、よく行き届くこと、
とことんまでやることとあるが、わたしは若い頃、「川底のゾウの足だ」
と教わった。川を渡る時。体重の重いゾウの足は川底を踏みながら、
さらに底の泥砂を踏み抜いて、底の底まで踏み通して歩いていく。
「徹底」の語源はそういう意味だというのだ。(中略)
 
プロの練習は「反省」「研究」「鍛錬」で三位一体だが、どれほど真剣に
徹底してそれに取り組んでいけるかがカギだ。人並みのレベル、一定の
段階で満足せずに修行、努力に没頭して、走っては立ちどまり、反省して
また前進する。それは人生そのものだ、とわたしは思う。その度合いが
深ければ深いほどその人生に、時として「ゾウのような足跡」を刻むのである。
 
                                川上哲治
 
川上氏がなぜ「鬼」と言われていたのか?著書を読んでいると、その理由が明快で
「プロはガツガツやらなければならない」という信念が徹底されているからですね。