時を越えて

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昭和の頃、美術家になるためには創意工夫の苦しみに耐えること。失敗や屈辱にも負けることもなく、ひたむきに努力し続けたものだけが、その存在に到達できると言われていた。いわゆる理論より根性論が中心の時代。創作に必要な能力は一朝一夕に身に付くものではない。美術家は寝ても覚めても美術に情熱を持ち続けて、没頭したものへのご褒美としてなれると考えられていた。つまり夢のために努力するのは当たり前だと思い込めるほどの純粋さがあった。しかし今の時代はそうではない。楽しみながら成長することを目指している。どこか発想が過保護になってしまった。既存にある型通りの価値観に帰属し、個性的な表現が減少傾向にある。私は決して昭和が良くて、平成が悪いとは思っていない。昭和も平成も美術家になりたいのなら同じことだ。ただ、平成はこの基本が少しだけ見えにくくなっている。あまりにもやさしい(甘い)情報が増えすぎて混乱しているように思える。だから今一度、努力をして伸ばす世界であることを確認しよう。そう基本はいつの時代も成功する姿を夢見ながら頑張るしかないのだ。

■稲田絵美 おくりもの 友情出品 佐藤文恵、han..、YURI 日時 2016年11月23日(水・祝)~27日(日) 11:00-19:00(最終日18:00まで)