4年前の春、その作者とは当ギャラリーで行った公募展で知り合った。本来は年齢条件でアウトだったが、本人の強いアピールで参加可能になる。さらに会期中にいろんな偶然が重なって知人の会社へ就職する。そこではスタッフと協力し合って一所懸命に働いた。昨年の初冬、そんな彼女の頑張る姿を見て個展を企画した。作品は簡単には売れなかったけど、想像以上に良いパッション（熱情〕があった。美術はたくさんの情報を持つものが強者になるとは限らない。むしろ知らないからこそ、純粋な思いを貫いていけるのだ。それはこのたびの県美展の入選入賞した作品のキーワードとして通じるものがある。変に色気を出さずに自分の個性を信じたものが展示されていた。みんなみんな自分の才能を信じている。だけど情報過多の社会に触れて、あれこれ迷い迷って自滅していく。今の美術をしたたかに分析して、本来ある個性を埋没させるのだ。本当に知らぬが仏だと思った。そう、そのまま知らぬが仏を突き通していけばいい。ネット社会に背を向けて唯我独尊！在りのまま自分で創作するのがベストなのだ。真っ直ぐに生きて頑張る彼女からいろんなことを学べた。やっぱり美術は奥深くて面白いものだ！
■第71回山口県美術展覧会 2017年9月16日（土）～10月1日（日）9:00-17:00（入館は16:30まで） 休館 9月25日（月）観覧料 一般500円、学生400円、70歳以上・18歳以下・障害者料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1http://www.yma-web.jp/
