今年の新語・流行語大賞になった「インスタ映え」。SNSのインスタグラムに写真をアップした際におしゃれに映える、見栄えが良いという意味で用いられる表現だ。ここ数年、ネットネイティブと呼ばれる世代を中心に、モチーフの画面カット技術は格段の進歩を遂げる。これは精度の高いデジカメやスマホなどが普及し、また、参考になる画像も多く存在するため、それなりに上手く写せるようになった賜物。この流れから誰でも手軽にできる「インスタ映え」は流行っている。決して悪いことではない。自分の楽しかったことなどを記録して、友人知人仲間たちと分かち合うための最適な道具だ。ただし、どこかプリクラに近い臭いがする。一見は個性的に見えて、実はマニュアルのど真ん中。どこにでもある、希少価値が薄い、重宝しないものなのだ。感動とはその一瞬に起きてしまう。瞬きも許されないくらい早いもの。その瞬間の画像はきれいでもなく、美しくない構図であっても、熱量は最大限のものになっている。「インスタ映え」もいいけど、熱量の高い場面がわかる目を養おう。人生は一度しかないのだから目に焼き付く、本物が理解できる感性を身に着けて生きていこう!