縫いぐるみ

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「今日の常識が明日の非常識となる」という金言がある。これは世の中は常に変化していくもの。過去の常識に固執してはいけない。絶え間ない変化に備えて生きいこうという意味。美術の世界も同じこと。時代とともに常に変化していくっていうのか、そもそもが常識の殻を破って新しい常識を創る産業。だから美術は「今日の非常識が明日の常識となる」と並べ替えたらわかりやすい。それはさておき、先日まで稲田絵美さんの個展で展示した縫いぐるみ作品。その昔なら既製品の縫いぐるみが少ないため、各家庭で母親たちが中心になって作られていた。しかし、今はテーマパークやゆるキャラなど、既製品の縫いぐるみが多種多彩に大量生産されている。サブカルチャーとして身近に楽しめるアイテムになったが、その結果、どこにでもあるような縫いぐるみが氾濫してしまった。そんな中で稲田さんの作った縫いぐるみはオリジナリティに溢れている。彼女は手先が器用で布の縫い方も中に入る綿の詰め方も丁寧で上手い。誰でもできそうなことを誰もができないくらいこだわってやっている。このまま科学が進歩していけば、3Dプリンターのような機械で縫いぐるみは制作されるだろう。そうなればなるほど、稲田さんの出番になるのかもしれない。思わず、未来に輝く彼女姿を想像してしまった。次の作品展も楽しみにしています。