とんち

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私が小学生だった頃に「一休さん」というアニメ番組があった。この一休さんとは室町時代に禅寺で修業する小僧のこと。ほぼ毎回、登場人物から無理難題を持ちかけられて、困っていることをとんち(知恵)の力を使って救う物語。どうにもならない理不尽な問題を、様々なとんちで解決していく姿に、子どもたちは尊敬と憧れを感じていた。それは当時の大人たちが愛した勧進帳悪の時代劇の子供版だったのかもしれない。いくつもの苦難を乗り越えて、正義が必ず勝つというコンセプトに、血が走って惹きつけられたのだろう。
ちなみにモデルになったのは一休宗純。型破りな僧侶として数々の破天荒な伝説を残した人物。私個人として一番ハートをスマッシュされたのは、ある時、一休禅師の元を訪ねてきた男が「生きるうえで一番素晴らしい知恵を教えてください」と頼み込んできたので、すぐに筆をとって黙って紙に「関心を払え」と書いたエピソード。その後、訪ねてきた男は何度も「どういう意味ですか?」と尋ねるが、そのたびに紙に黙って「関心を払え」と何度も書いたため、ついに男は頭に来て帰ってしまった。私はこの話しは「今、自分がやるべきことに集中しろ!」だと思っている。つまりこの世の中は自分を活かすことに関心がなければ理想の未来へ進めない。本気で関心がなければ、努力して深められない。限界の限界はないのだからこつこつと積み重ねるのだ。あなたがあなたらしく生きたいのなら、もっともっとそのことに関心を持っていく。そう、「自分の人生は、自分一代のものだ」という一休禅師の言葉のように、とことんやり尽くして人生の醍醐味を味わいましょう!

■岸 透子 水彩画展 - VOICESl - 2019年5月31日(金)~6月16日(日) 11:00-19:00 定休 6月11日(火)、12日(水)