力の限界

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常連のMさんは永遠の女子高生と言うべき明るく元気よく好奇心も旺盛だけど、繊細で傷つきやすい思春期のような一面もある還暦を過ぎてもチャーミングな女性です。そのMさんからある時「力の限界」という本をいただきました。この本は約35年前にウイルスの研究者だった東昇先生が若き頃から親鸞聖人の歎異抄に深く感銘されて、自然科学と宗教という一見は相反する分野を自らの経験を具体的な例として取り上げながら、古くから生き続ける精神文化の素晴らしさを説いたもので、自分は母校が宗教学校のため、在学中から多くの教えを学んできたので、とても勉強になりました。
また、書かれた文章の「宗教」と表現されている箇所を美術に変えてみたらリンクすることが多く、例えば著者が文中に引用されたセント・ジェルジー博士の言葉の科学を美学に変えてみますと、

美(科)学的な創造(研究)を旅にたとえるなら、
創造(研究)とは終点のない、しかし、期待にみちた旅である。
美(科)学者には夢がある。
夢のあるために生きている。
自分は、表現(生命)の奇蹟への沈黙の礼讃者である。
美(科)学者よ、好奇心を持ち続けよ。

と、アーティストが必要なことになり、時代を越えた著者の磨かれた言葉が響いてきます。