住めば都

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「田舎のねずみと町のねずみ」とはイソップ物語。それぞれが住んでいる場所へ交互に訪れて、居心地の良さや幸せだと感じる環境など、文化の違い生き方の違いを肌で感じ、それぞれ個性が異なることが理解する。つまり身近にある幸せは気付きづらく、外に出かけてみることで初めてわかるのだ。このような教訓を頭の中で本質を感じながら学ぶストーリー。

私はずっと田舎でギャラリーを営んでいる。ただし、山口市は文化に対する歴史や価値観などが豊かで、美術を面白く感じるために必要なものが揃う。とてもめぐまれた環境に感謝するしかない。都会のような活動はできないけれど、ここにはここでしかできない文化がある。特にこの10年間は若い層が増えてきて、ギャラリーに新鮮な空気が運ばれてくる。あれやこれや蒔いた種から芽が育ち、少しずつ実って活気のある環境になってきた。そう、ここでやるべきことに取り組んで、自分自身の役割を明確に見い出したら、自然とバイタリティは活性化して、ワクワクできる日が増えてくるはずだ。やはりその人にとって都かどうかは自分の心が決めるもの。高杉晋作の辞世の句「面白きこともなき世を面白く、住みなすものは心なりけり」は本当だ。今を面白く生きるかどうかは心の在り方次第なのだろう。

■Hello,Full moom akari yoshida Exhibition 2019年11月1日(金)~6日(水) 11:00-18:00(2日(土)は19:00まで)