日々是好日

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ちょうど40年前の今日、私は隣町の男子高へ入学する。たまたま親しい先生に勧められ、どんな学校なのかはよく知らないぬまま、若気の至りで飛び込んでいった。当時、いわゆる「ツッパリ」と呼ばれている人たちの全盛期の時代。学校にはいなせな格好をしたやんちゃな人たちが多くて、どんな感じで付き合っていけば良いのか戸惑うことばかりだった。比較的に穏やかな場所から一気に戦地に立たされたくらい、大きなカルチャーショックはあったけど、通い慣れてくるとそれなりに楽しい思い出もある。

その中の1つが宗教を学ぶ時間。曹洞宗の学校らしく週1で行われた。般若心経もさることながら道元禅師の言葉にしびれてしまい、通学のバスの中で本を読むほど夢中なった時期もある。とにかく「精神」という目に見えないものにこだわっていく。どうやったら鍛えられるかについて、あれこれ考えては勝手に盛り上がっていた。人生はただただ生きていければ良いというものではない。日々のあり方と意義などを求めて、すべて修行と心得て過ごしていく。やると決めたら何事も中途半端にしないで、とことん成し遂げるまでやることが大切なのだ。血気盛んな少年時代、このような言葉に心は熱くなり、ひたすら志を燃やすのだと教えられた。

その後、ここで学んだことは社会に出てから大いに役立つ。数々のプレッシャーによって心身は鍛えられ、その時々に応じて柔軟なアイディアを持ち、さらに情熱的な行動ができるようになった。つまり美術の世界に生きていくために必要なものが育まれた。決して条件が整わないからできないことはない。どんな環境だって人生の勉強はできるし、どんな環境でも自分らしく生きられるんだ。やはり縁あって通った学校。さまざまな道理を学ぶことができた。これからもお釈迦様の掌の上で走り回って、日々豊かに生きれるように精進あるのみ。たった一度の人生だからこそ