出る釘

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いわゆる岡本太郎氏の著書の中に「ぼくはかつて、出る釘になれと発言したことがある。誰でもが、あえて出る釘になる決意をしなければ、時代はひらかれない。ぼく自身はそれを貫いて生きてきた。確かにつらい。が、その痛みこそが生きがいなのだ。この現代社会、システムに押さえこまれてしまった状況の中で、生きる人間の誇りをとりもどすには、打ちくだかれることを恐れず、ひたすら自分を純粋に突きだすほかはないのである」という言葉がある。

なるほど、たしかに美術家とは普通の人だったら思い浮かばない、強い個性のイメージで表現することを求められる。いろんなことを積極的に試しながら、自分にしかないものを尖らせて、新しいものを切り拓こうとしていく。それゆえに周囲から浮き上がった存在になりやすい。これまでにないインパクトを武器にするため、奇天烈なキャラクターとして見られることもある。どこにでもある既存の文化や体制に染まらずに、独自の道で生きようとするものの宿命なのだろう。

つまり美術家になろうと志す人だったら、どんなふうに思われてもいいじゃないか。人それぞれ違ってくる持ち味を信じ、それを伸ばす行動を起こしてみよう。美術に新しい風を吹き込ませることができるのは、自分の個性でしっかりとやり切ろうとする人だ。次から次に出合う創作の壁を打ち破るために、個性を出る釘と言われようが磨き続けて、存在感のある作品を創作していいきましょう!