飛び出す

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昨日の午前中、高校生と思わしき女子が二人ほど来店してきた。そこで「いらっしゃいませ」と、やさしく声をかけてみたところ、やや緊張した面持ちでぺこりと頭を下げてくれた。おおー、しっかりしているなあ。そして、一生懸命に作品を観て楽しんでもいる。おそらく中学校で美術の教鞭をとる出展者の教え子だ。普段、彼女の学校での献身的な働きぶりがうかがい知れる。卒業生が来るのだから大したものだ・・・と、思っていたところへ、今度は中学生の男子が1人でやってきた。これまたユニークなオーラを光らせて、彼なりに展示作品を満喫していった様子だった。

それにしても同じ時間帯に好奇心の強い若者たちが揃ったものだ。しかも3人ともご父兄の付き添いなしで、自発的にここに来たのだから立派なこと。素直にこういう若者たちと出会うと、これからの未来が明るく感じてしまう。なぜなら、学校を飛び出して教科書には載っていないことを、実際の現場で学ぼうとしているからだ。いわゆる美術は美大以外は受験に必要がないため、一般的な中高生だったら縁遠い科目になっている。しかし、少なくても高校生くらいまでは、美術であろうがなんであろうがかじってみて、自分なりの味覚を知ることが大切なことだろう。その人の人生に必要かどうかに関わらず、様々な社会があることを理解していくことで、個性豊かなパーソナリティになっていくからだ。

つまり、成長期の若者は身体づくりと同じで、いろんなものを好き嫌いなく、なんでも食べられる人は、栄養が身になって大きくなれるように、様々な科目をバランスよく学ぶことによって、頭脳は鍛えられて生きる力が強くなるはずだ。すべての教科はその人生を豊かにするためにあるのだ。自分の力で生き抜いていくために、とことん勉強していきましょう!