自制心

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基本的に美術家という職業は、たった独りでやっていくもの。何らかの組織に属しているわけもなく、自由に気ままに活動していくことを第一にする。いくつになっても上司もいなければ、部下なんて存在もいやしない。いつも自分だけの時間に囲まれて過ごせるメリットがある反面、セルフマネジメント力がしっかりとしてなければ、ちょっとした甘い誘惑にかられていくばかり。いつの間にか「これくらいでいいだろう」と、つい自給感覚で制作してしまったり、また、周囲と同じようなものだったらいいと開き直って、ありきたりなものしかやろうとしなくなる。どんなに上手くやっているような顔をしても、自分をごまかした作品はいつか化けの皮が剥がれてくる。だんだん作品のコンセプトなどの辻褄が合わなくなって、その結果、いつまでも制作は行き当たりばったりになっていく。

つまり美術家は美術によって社会と繋がっていることを自覚しよう。つまらないプライドに振り回されずに、公共心のある活動をすることが求められる。だから自分には具体的な関係での上司も部下もいないけど、美術を通じて知り合っていく多くの人たちがそばにいる。そんな自分の作品に期待する人たちへ応えるために努力することが大切だ。創作をするからには期待されるように、どんどん新作を発表して存在感を見せつけよう。美術家の人生に雑事はなし!一見どうでもいいような失敗作だったとしも、これではできないことを知るために必要なこと。あらゆることの創作の積み重ねがあって、作品の評価が上がり、次回作も期待される美術家になっていけるのだ。果敢に挑んで圧倒的な数の失敗にめげてはいかない。いつも今できる最善なことから手を付けて、自分らしい個性にこだわった制作をして、美術家としての魅力を輝かせましょう!