限界の限界はない

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「自分自身を越える行為が、生の最高の行為である。それが生の原点であり創生である。炎こそこうした行為である」という格言がある。誰でも自分の能力はこんなものだと限界を決めつけたら、それ以上の努力はやろうとはしないもの。しかし、何かの拍子にこれくらいと思い込んでいた自分の限界を超えた時、まだこんなに自分にできる能力のあることに喜んで、俄然やる気になってとことん追求したくなる。これまで自分がやってきたことを見直し、才能の片鱗を再発見できるようになって、生きることに目覚めたのだと言えよう。こうなったらしめたもの。次々に新しい情熱を燃やして頑張っていける。人生を極めていきたいと前向きに生きられるだろう。

ところで、ただいま個展開催中の吉田朱里さん。芸術短期大学卒業後は、特に将来のビジョンを持たないまま、なんとなく日々を過ごしていた。どこにでいそうな普通の若者だった。そんなある日、偶然、アルバイト先で頼まれた印刷物のデザイン。まったく経験がなかったことだのに、調子に乗って引き受けてしまう。若さゆえに楽観的に考えていた。そのために家では悪戦苦闘。ようやく出来上がったものはなんと予想外に好評を博す。そして、そのおかげで新しい仕事がいくつも舞い込み、それを真面目に取り組んだおかげで生業になったのだ。こうして始まった創作人生の旅。思わぬ形でスイッチが入って、本気で取り組めるようになったのだ。あれから月日は流れて、まだまだ課題は多くあるけど、自分らしい個性は面白くなっていくばかり。このまま美術の冒険を無頓着に楽しんでいきましょう!