大器晩成

f:id:gallerynakano:20211025224406j:plainいわゆる美術鑑賞してから、その作品について質問することは、意外と簡単でなかったりする。例えば、初心者でも表層的なものなら、言葉にしてたどることはできるが、作品の文脈や背景、巧みな技術力などはある程度の鑑賞経験がなければできない。とにかく、ピントが外れたあやふやな言葉でもコミュニケーションは成り立つけれど、作品を観て疑問をいだき質問するためには、自分の感性で感じたことを言語化する能力が必要なる。

ちなみに日本の美術教育は一にも二にも詰め込み型で、ただ受け入れることを奨励している。自分らしい感受性で自由に感じるのではない。準備された答えを良しとしている。そのため自分の意思で何かを発見して、それを聴いてみることが苦手になりやすい。つまり、受動的な鑑賞教育を受けているため、自分自身で気づくことができなくなるのだろう。

ところで、吉田朱里さんは日常にむやみやたらに疑問を持っている。なぜ、これはこうなるのか?、それはそうなるのか?。いつもいろんなことに疑問をいだいて不思議がっている。その理由はとてもシンプル。人並み以上の観察力があるから。さまざまなことを感じて、人一倍深く情報収集ができるのだ。それゆえに子供の頃からよくオーバーヒートを起こしていた。上手く整理できなくてフリーズすることが多い。それともうひとつ、せっかく良い気づきがあるのに言語化できない。独創性のある視点なのに語ることが出来ない。これは未来への課題。私と知り合った時に比べたら格段に進歩しているからこのまま努力していけばいい。大器晩成だと前向きに考えて、ぼちぼちと焦らずに向上していこう。