複眼的な視点

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若い人はできるだけ多くの美術作品に触れた方がいい。とにかくたくさんの美術作品を鑑賞すること。さまざまな表現や技術があることを知って、経験と思考を積み重ねていくのだ。それも一つの傾向ばかりに偏るのではない。できるだけいろんな分野に目を向けて、多様な美術への考え方の幅を広げていこう。なぜなら、一つの傾向のものばかり観続けるよりも、いろいろな種類や価値観を持つことで、美術鑑賞の醍醐味は大きなものになるから。ただ作品を観たまま聞いたままだったら、通りいっぺんの解釈しかできないため、せっかくの新しい感性を芽生えさす、チャンスを取りこぼしてしまう。自分ではなかなか気付けない感覚を発見するために複眼的な視点を養っていくこと。わからなかったものの真意を汲み取るために役立つことだろう。

そういえば、彼女は若い頃から前向きに美術に触れていた。そこから何かを学ぼうと努力していた。いつも作品の個性を尊重して近づくため、相手もシンパシーを感じてくれて、すぐに打ち解けて語り合うのが特技だ。美術は好意的に鑑賞することで作者が言いたかったこと、言おうとして足らなかったことが汲み取れようになれる。儀礼的なことや建前ばかり話しでいては、お互いにとって何の意味を生み出さない。本気で熱くなって語り合うことで刺激し合い、新しいイマジネーションはどんどん湧いてくる世界。いわゆる切磋琢磨していくことで、思いがけない話しが広がって、無上の喜びへと繋がっていけるのだ。そんなコロコロと転がるまりは、あちらこちらにぶつかりながら生きている。あれこれに触れながらコロコロと転がって創作している。180度向こうにある相反すものにも慈悲深く、どこか好きになれそうものを探すのは立派なこと。これからもそうやって振幅の幅が大きくして、柔軟性のある姿勢でマリミンアートを究めていきましょう!

臼杵万理実 作品展 2020年4月10日(金)~26日(日) 11:00-18:00 火水定休