カレンダー

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10年前の師走、県美展を中心に周辺エリアでアートに親しむプロジェクトで、東日本大震災で被害にあった文化財復旧復興支援を目的としたチャリティーカレンダーが販売された。これは過去の県美展で活躍した12人の美術家を選抜し、それぞれの作品画像を無償提供していただき、売上金の収益は全国美術館会議が管轄する「東日本大震災救援・支援活動募金」へ全額寄付金し、被災した文化財を救出・保全する事業を応援する企画である。

当時、私はプロジェクト実行委員会の委員だったので、この企画を担当の学芸員さんに提案したところ、館長さんから電光石火でゴーサインが出て制作開始。約3週間と準備期間が少なかったのにも関わらず、県美展の初日に美術館をはじめ、協力店舗への配布が間に合った。ちなみに卓上サイズで1部500円のカレンダーは、皆様の多くのご支援を賜ったおかげで、約60万円超の金額を寄付することができました。

また、ギャラリーではチャリティーカレンダーを盛り上げるために、美術家22人によるアートカレンダー展を開催。参加メンバーには岡本よしろう君や末永史尚君という、今現在は全国区で活躍する名もあり、まさに美術の持つ力を信じる有志たちが集った。その中のひとりである臼杵万理実さん。彼女はさまざまなカレンダーに刺激されて、制作への意識レベルが変化していく。自分はまだまだ力不足と痛感して、画力を鍛えることに向き合うのだった。あれから年月が経って、このたびで通算11回目。出来映えは言うことなし。さらに進化することを願うのみだ。