好きのちから

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その人らしい個性的な作品を創るためには、二つの単純な基本原理にまとめることができる。一つ目は好奇心を掻き立て、自分が好きで得意とするものを見つけ出すこと。二つ目は、一つ目で見つけたものに情熱を燃やし、才能やエネルギーなどをすべてを注ぎ込んで、必死になってそれに取り組むことが大切になるのだ。

まず最初に、どの創作分野なら可能性が高そうなのかを見極める。自分の能力に適した表現領域を選び、得意な分野でとことん創意工夫していく。ただし、どうしてもやりたいからと言って、自分の方を無理やり合わせてはいけない。あくまでも得意とする分野であること。そうでなければ、いくら頑張っても足踏みばかりで、なかなか上達することはないだろう。

つまり、好きこそものの上手なれ。好きで得意なことだったら自然に打ち込んでいける。いつの間にか自発的に必要なことを学ぼうとしたり、さまざまなことに創意工夫と試行錯誤するため、自分らしい個性にたどり着く可能性が高くなるはずだ。ところで、このたびの臼杵万理実さんの個展で展示している木の作品は、彼女が得意とするファンタジーの世界で、明るい雰囲気で来場者を包み込んでいる。こまごました技術的なことより、小さいけれど大らかさを感じさせてくれる。不思議な魅力でいっぱい。やはり、好きな気持ちが形になっている。創作の原点にあるものを確認させてもらった。