オルタナティブ

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昨日の夕刻、Do a front さんで行われた末永史尚君のアーティストトークに参加。彼が教鞭を執る東京造形大での実験的な取り組み「CSLAB(いろんな人たちが集まり、自由に美術の可能性を話し、有形無形の情報を交換する)」に始まり、水戸芸術館で自身が出品した創作と対話をテーマとする展覧会「アートセンターをひらく」などについて、約1時間30分にわたって、進行役の吉崎和彦(YCAMキュレーター)さんとの掛け合いを見聞きする。

やはり、頭を低くしてあらためて学ぶことが大切だ。この年齢になると、いつの間にか「これでいいのだ!」と、わかったつもりになっている。しかし、実際はどこからか肝心なことが漏れていて、本質的なことが置き去りになっていたりする。また、まったく適当になっていて、意味合いを勘違いしたまま、明後日の方向を見ていることに気付かされる。ここは素直に戒めよう!いくつになっても美術と向かい合うために、わかったつもりでいるほど危ういことはない。その時々に勉強する意識で最善を尽くすのみだ。

ちなみに「オルタナティブ」という伝統的な手法にとって代わる新しいやり方を意味する言葉を再認識した。表現者にとっては既存の価値観を打ち破り、新しい世界観を創り出し、自分の存在感をしるすことは第一目標。だけど、今の時代に主流と呼べるほど強い勢力がなくなった。ライフスタイルが多様化し、あらゆることが混沌している。こういう時代にどうすればいいのか。そういうことは探っていくしかない。つまり、このトークを総括するにふさわしい言葉で、しばらくの間は頭の中でこだわってみようと思っている。