田舎のねずみと町のねずみ

イソップ物語の「田舎のねずみと町のねずみ」。それぞれが住んでいる場所へ交互に訪れて、文化の違いや生き方の違いを肌で感じながら、それぞれの人生の個性や幸福度の違いを理解し合う。いわゆる身近にある幸せは気付きづらいもの。外に出かけてみることで初めてわかることが多い。このような教訓をわかりやすい描写で気付かされる物語だ。
私はずっと田舎でギャラリーを営んでいる。都会のように華やかなことはできないけど、山口市は文化芸術への意識が高く、古くからの歴史から新しいものまで存在し、豊かに面白く美術を楽しむには必要な条件が揃っている。とてもめぐまれた環境に感謝するしかない。
つまり、ここにはここでしかできないポテンシャルがある。だから、あとはやるべきことに取り組んで、自分自身の役割を果たしていくのみ。いろんな方々と力を合わせて、ちょっとした小さなことから育み、多様なものを尊重させてみたい。新しい世界へ夢と希望に胸を躍らせながら、美術の素晴らしさをわかり合うことが目標だ。