セルフ「いいね!」

5年前の新語・流行語大賞になったのは「インスタ映え」。言わずと知れたSNS インスタグラムに、アップした投稿にたくさん「いいね!」を付けてもらえるような、おしゃれで見栄えのする写真を撮ること。あれから時は流れて、このようなショットを取る文化は、若い世代だけではなく、あらゆる世代の人たちに浸透した。精度の高いデジカメやスマホなどが普及したことや、参考になる情報を手軽に得られるため、もう、「インスタ映え」と改めて言われないほど、誰もがそれなりに上手く写せるようになった。

それ故に、ただ「いいね!」をもらうだけでは、何か飽き足らなくなったのかも。もっと多くの人に認めてもらいたい気持ちが先走る。名もなき者ではなく、何者かでありたい。ただし、ついつい頑張り過ぎると、承認欲求されたいジレンマに陥る。自分の価値を他人に承認してもらう構造にハマってしまい、抜け出さなくなるから注意が必要だ。

つまり、他人に自慢できるほどのレベルでなくても、何かの公募展で入賞入選していなくても、その他、なんやかんや言われなくてもいいじゃないか。ただの自分であればいい。それだけで十分に価値がある。内面のことはその人にしかわからない。他人からどう見えるかよりも、まずは自分自身が充実できるように生きること。誰かの評価でつく上げられた自分になってはいけない。自分自身が望むのはいったいどんな自分なのか。このことに追究するのみ。そうすれば人生は面白くなる。自分で自分が納得する「いいね!」を求めて生きていこう。