多国籍化

昨日はひさしぶりに博多の街を駅からぶらぶらした後に、福岡三越で始まった陶芸家 金子司君の個展会場へ。道中、結構な数の割合でさまざまなアジアの国の言葉が聴こえてくる。さすが国際都市!山口市も海外から来る学生さんの数は、以前に比べるとかなり増えてきたが、そのようなレベルではまったくない。石を投げれば簡単に当たるほどというのか、彩り鮮やかな格好で道端を堂々とかっ歩するため、実際は少ない人数だったとしても、それ以上にいるような強いインパクトを与えていた。
そんな彼らは金子君の作品にも興味津々の様子。たしかに伝統工芸の世界のように、お点前の作法に縛られなくていい。日本人ならスタンダードでなければならぬと意地を張るけど、豊かな時間を楽しく過ごすために存在価値があるのなら、それだけで十分値打ちのあるものだと合理的に考えている。異文化ゆえに新しい作品の解釈が生まれてくる。それは新しい可能性の発展であって、金子君の作品の伸びしろを大きく広げていくだろう。
 古来から日本人の日本人による陶芸であるべきだという考え方は素晴らしいことだと思う。日本人が美しいと感じる文化は日本人しかわからないに決まっている。しかし、こうのように多様化した日本社会になったのだから、伝統文化を拡大解釈していくことや違う文化と交わることで生まれてくる、何かを見つけ出しては面白がることが未来を創っていくように思える。初めから型破りの陶芸家。もちろん、型がしっかりしているからこそ、独創性の高い表現を生み出して、陶芸界の常識を破っていけるのだ。約30年間、ずっとブレずに革新的なもの創りは素晴らしい。小さくなってきた地球で、大きな存在になれるはず。唯一無二の宇宙で圧倒された。