おめでとうございます!


1980年、第34回山口県美術展覧会彫刻部門に、審査員をはじめ、美術関係者たちに物議を醸す作品があった。それは新聞紙面に掲載された写真や記事、広告に至るまで、鉛筆でリアルに描いたものを原版に、一万枚ほどオフセット印刷したものを積み上げて、彫刻部門で応募してきたのだった。

そのタイトルは「ドローイング新聞 NO13(1万部)」。作者は当時30歳の画家 吉村芳生さんだった。常識を超える斬新さが評価されて、最優秀賞(大賞)を受賞する。なお、この作品によって、県美展は改革へ向かって歩み出す。現行の7部門制(洋画、日本画、彫刻、工芸、書道、写真、デザイン)では収まりきれない新しい表現作品の受け皿になるために、平面と立体の2部門制移行への議論が始まり、6年後に実施されて、なんとその年に「彼の地」で吉村さんが平面部門最優秀賞に輝き、当時としては県美展史上初の2度目の受賞と、平面と立体の2部門でも初の受賞者となった。
 あれから36年。今年の県美展で、吉村さんはまたもや県美展史上初の快挙を成し遂げる。ご子息の大星君が「ザルの惑星」で大賞を受賞したため、初めての親子受賞を歴史に刻んだ。そして、吉村家として通算4回目の頂点を数えて、こちらも同一家族というカテゴリーで単独1位の座を掴んだ。嗚呼、どこまでも一番最初が好きなのかな?(冗)それはさておき、本日はおめでとうございます!しっかりと大星君の晴れ姿を天からお楽しみください!合掌