ROUTE102 豆腐を食べて、小径をつくろう...

2007年8月、県美術展と同時開催で県立美術館から中心商店街エリアまで、さまざまなアートに関連するイベントを通して、身近に親しみ楽しむプロジェクト「HEART」が初めて行われた。この時、山根秀信さんはワークショップ「ROUTE102 豆腐を食べて、小径をつくろう...」を主宰する。なんと当時ギャラリーの近くにあった一般道の小径に、使用後の豆腐パックにモルタルつめ込み、豆腐型ブロックを敷き詰めて、世界に一つの不思議な空間を創り上げた。その後、再開発で取り壊されるまでの何年間は設置したままで、この街の文化へ寛容さを象徴するような作品だった。

やっぱり、美術家は面白いものを想像して、不思議な世界観を味合わせてくれる。真っ白に塗られた壁の中にある豆腐パックで作られたタイルの道は非日常の雰囲気が漂っていた。ここを歩けば普段気が付かない空気を感じて、百メートル足らずのわずかな距離しかないのに、シュールな夢の中にいるような心地にさせてくれた。不思議だと思うことから、空想力は活性化するのだろう。