「10年偉大なり、20年畏(おそれ)るべし、30年歴史になる、50年神の如し」という中国の格言がある。これはひとつのことをこつこつとやめずに積み重ねれば、とてつもなく大きな力になるという意味だ。やはり学問でも芸術でも何ごとであっても、ちょっとそっとくらいやれば、一人前の域に達することはない。また、ただ暗中模索に続けていけば良い結果が出る訳でもはない。創意工夫と試行錯誤を繰り返して、その日その日に自分自身のできることに取り組み、自分の能力を伸ばせるように意識して努力するしかない。
ところで、このたびのTシャツ展で展示するTシャツのデザインを観てみると、自分らしい個性にこだわり、バリエーション豊かなものが次々に集まってくる。皆々、ゲームするように楽しみながら創作している。グループ展だとは言え、自己表現の機会が与えられたのだから、存分に腕をふるってオリジナリティに挑戦していく。

アートは夢中になれるものに魂を燃やしていく世界。常日頃は仲が良くても他の人より秀でようとして努力し合う。これがいい意味での競争を成り立たせて、成長していこうという願望を刺激する。つまり、それぞれが制作することの喜びを共有していき、切磋琢磨によって水準を引き上げて、美的感覚と創作意欲も向上させるだろう。