ピンチはチャンスの始まり

松陰先生の書物に「境の順なる者は怠り易く、境の逆なる者は励み易し。怠れば則ち失いひ、励めば則ち得るは、是人の常なり」という名言がある。この言葉は、人は順境にある時は怠けやすく、逆境にある時は励みやすい。それ故に怠けると道を失い、励めば道を得るということ、これが人生の常の姿だと諭した。

やっぱりピンチはチャンスの始まり。さまざまな困難に出くわしたとしても、そのおかげでたくましく鍛えてもらえる。いわゆる絶体絶命のピンチによって、潜在能力は活性化されるもの。どんな人でも辛くて苦しい時に、火事場の力が目覚めていって、本領を発揮できるようになっていく。

つまり、人は物事が上手くいっている時は慢心になりやすく、向上心が萎えたり自惚れたりしやすい。そんな自分に都合良い時も心を戒めることができれば、チャンスを広げてピンチに備えることができるはず。だから、余裕が充分あるうちから危機感を持ち、次に必要なことを求めていかねばならない。これこそが人生を穏やかに過ごすためにやるべき秘訣だと言いたいのだろう。