明るいオーラ

福沢諭吉が残した「水があまりに清ければ、魚は棲めない。人は知的であり過ぎれば、友を得るのが難しい。友人を受け入れるには、度量が広く、多少ぼんやりとしているところもあったほうがいい」という名言がある。
このたび開催した深海志都香さんの個展には、彼女の幼なじみをはじめ、芸術短期大学の同級生など、いわゆる横のつながりと言うべき友人たちの来場にめぐまれる。それも車で小1時間をかけて来られる方が多かった。なんて豊かな人間関係が形成されている。だけど、深海さんは本当におとなしいから、とても不思議な感じだったりもする。会期中、手八丁口八丁でもないのに、その求心力の正体が気になってきた。
そこで見聞きしたことをいろいろと思い出しながら、何が魅力で惹きつけているのかを考えてみた。すると実に納得できる答えにたどり着く。それは創作している姿が幸せそうに見えるから。人は楽しそうなことや面白そうなことに群がってくる。深海さんは子供の頃から美術が大好きで、作品を制作するだけで至福の時になる。つまり、美術への愛から生まれる明るいオーラが目印になって集まってくるのだろう。