環境

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「『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』。人は平等ではあるが学問をするかしないかによって地位が生ずる」という福沢諭吉の名言がある。

美術の素質というものはみんな同じくらいある。俗に言われているほど大きな差はない。それぞれにふさわしいものがあって、とても平等なものだと思っている。だから、花の種を植えた土壌によって、咲き方が違ってくるように、その才能を伸ばすには環境が重要になってくる。いわゆる恵まれ過ぎると根が弱くなり、かと言って放置され過ぎると枯れてしまう。その種を育てていくには、その種にあった環境にすること。水や肥料が適度に補給できる環境にしていくことが大切だ。つまり、美術の才能とはひたむきに努力する中で育まれていくもの。美しい花を咲かせようと創意工夫するうちに、自分にとって最善の環境がわかってくる。美術に情熱を燃やし続ける人になれば、才能が開花するチャンスにめぐまれるだろう。