最大多数の最大幸福

哲学者 ベンサムの言葉に「最大多数の最大幸福」がある。これはできるだけ多くの人々に、最大の幸福をもたらすことが善であるとする説。このことは学校で習ったくらいで、詳しいことは覚えていないけど、人間の快楽の量は計算できるため、社会の快楽総量が最大になるように行動することが正しいとしていたように思う。

要するに10人中9人を幸せにする行為は、10人中1人を幸せにする行為より望ましい。しかし、もしこの10人中1人が芸術のことをよく知る高名な評論家で、10人中9人が芸術の知識もセンスも平凡な一般人だったとしよう。こういう場合は、創作していく人にとって、どっちを幸せの基準にすればいいのかは究極の選択になっていく。

これがひと昔前なら評論家が答えになるだろう。だけど、現代のようにネットを介して一般の人たちが徒党を組める時代では、いわゆる推し活になって応援してもられば、経済的に成り立つことが十分にできる。つまり、美術で幸せになるための選択肢が広がっているから、自分の指針に合うものをハッキリさせることが大切だ。自分らしく努力した先にふさわしいものを評価にすればいい。