我以外皆我師

孔子の言葉にある「耳順(じじゅん)」とは60歳の別の呼び名で、年齢が60歳くらいになってくればいろんな人の話しを聞いて、素直に理解できるようになることを言う。いわゆる人生経験が豊富になってくれば、物事の本質が理解できるようになるため、どんな話が聞こえてきたとしても、正面から受け止めて動じなくなることを意味するのだ。

ただし、この言葉には相反する意味も込められている。60歳まで生きてくると経験が邪魔して、物事を先入観や偏見で見てしまったり、自分の考えに固執しがちになりやすい。それ故、いつも人の話しに耳を傾けていけば、世の中の変化に気が付かされて、これまで接点のなかった価値観を知って、的確な視点から見ることが可能になるだろう。

ちなみに、私は50代になってから年下の世代にいろんなことを教わっている。その理由はとてもシンプル。世の中の移り変わりが激しくて、新しく学ぶことばかりだから。特にデジタルによるアート表現は日進月歩。過去になかった分野だけに頭を下げて習いやすい。とりあえず自分の殻から出ていくこと。いつまでも知らないことを知る楽しみを第一に生きればいい。