田舎の学問

画家 熊谷守一の著書に「川には川に合った生きものが住む。上流には上流の、下流には下流の生きものがいる。自分の分際を忘れるより、自分の分際を守って生きた方が、世の中によいとわたしは思うのです。いくら時代が進んだっていっても、結局、自分自身を失っては何にもなりません。自分にできないことを、世の中に合わせたってどうしようもない。川に落ちて流されるのと同じことで、何にもならない」という名言がある。

今の時代、ローカルというものは存在しにくい。どこの街にも全国チェーンのお店があって、また、ネット通販で最新のものは簡単に手に入れられる。そうして田舎のハンディは最小限に抑えられて、都会っぽくライフを楽しむ人が増えてきて、どこにでもありそうな均質的な文化が広がった。だからこそ、流行という観念からはみ出して、自分らしく自由に生きていこう。個性的なものを出せば出すほど独自性があって新しい。器用にまやかした商業主義に生きずに、不器用に実直に不便不自由を楽しもう。