一番大切なこと

小説 星の王子さまに「おとなは数字が好きだから、新しい友だちのことを話しても、おとなは一番大切なことは何も聞かない。『どんな声をしてる?』とか、『どんな遊びが好き?』『蝶のコレクションをしてる?』とか言ったことは決して聞かず、『何歳?』『何人きょうだい?』『お父さんの収入は?』など聞くのだ」という一節がある。

子供の頃、自分の未来はこんなふうになりたいと願うことは、大人になってから振り返ると、自分勝手な設定で実現不可能だったりする。だけど、こういう子供にしかできないユニークな発想は尊重すべきこと。現実はさておいて都合よく想像することは楽しい。明るい気持ちでワクワクしてくる。世間知らずは限界知らずだからプラス思考だ。

要するに、子どもの頃は自分の考えは正しいことだと胸を張ったのに、大人になるといつの間にかそんな大胆さを忘れていく。年齢と共に社会の常識に縛られていって、世間と同調して無難に生きようとしたがる。美術家は子どものような人たち。世間一般の枠からはみ出した自由な発想の持ち主。だから人の魅力を素直に表現できるのだろう。