司馬遼太郎の著書に「人生は一場の芝居だと言うが、芝居と大きく違う点がある。芝居の役者の場合は、舞台は他人が作ってくれる。生の人生は、自分で、自分の柄にかなう舞台をこつこつ作って、その上で芝居をするのだ。他人は舞台を作ってくれぬ」という名言がある。
私が若かった頃、美術家という舞台に立つためには、公募美術展で著名な美術評論家に選ばれて賞に輝いて、それを展覧会主催の新聞社が大きく取り上げ、さらに有名百貨店や老舗画廊で受賞記念展が開かれ、一気にその場所へ昇るのが一般的だった。しかし、今はこんなルートから立てる可能性はほとんどない。栄枯盛衰。時代は大きく変わった。
だからこそ、みんなで力を合わせて舞台を創っていけばいい。山口で積極的に創作活動をする美術家4人と共に、たくさんの人たちが楽しめるように、新しい形の展覧会を目指していく。地方でできないのではなく、やる前に諦めているだけ。とにかくやってみること。最初に不可能だと思えることでも、多くの力が集まってやれば、できるチャンスに恵まれてくる。
都会のアートシーンにない
観る方々が親しみが持てる地元作家の作品を展示して、
美術の世界が複雑に多様化して、様々な価値観が混沌としている時代は、